すすきのの飲み放題事情
東京の大学に通っていた時、帰省するたびに驚いたのが、すすきのの飲み放題の異常な安さだ。
まず、こちらで主なチェーン店といえば炎、串鳥この二つを思い浮かべる方が多いと思う。串鳥に飲み放題はないが、炎に限っては2H980円生ビール付きという恐ろしい安さだ。ご飯も圧倒的なコストパフォーマンスを見せている。
店舗数はかなり多いが、予約しないと入れない場合が多い。
他にもアイックスグループの鳥侍、山の猿やSMILE SOLグループのあいよ、串カツてっちゃん、アジアンマーケットなどの北海道を拠点とするチェーン店も980円前後の飲み放題の価格設定をしている。
それに比べ、都内の飲み放題のある主なチェーン店といえば、モンテローザ系列の笑笑、白木屋、魚民や和民、土間土間などになるが、どこも1500円前後の飲み放題の料金設定だ。
ここまで北海道の居酒屋が、都内と比べて飲み放題の値段を安くできるのにはFLRコストが大きく関係している。
F(原価率)L(人件費)R(家賃)
まずL(人件費)に関しては、都内の最低賃金が958円に対して北海道の最低賃金は810円
R(家賃)に関してはhttp://www.reinet.or.jp/pdf/tenpo/2016spring/all.pdfによると13
エリア中13番目の賃料で、1位の銀座の賃料と比べるとおよそ6分の1ほどである。
そもそもLとRの時点で、北海道では都内では大きな差があるのでその分F(原価率)を下げれるのは当たり前なのだ。北海道で利益を上げている炎も同じ価格設定で、都内に出店などすれば 利益は上げられないだろう。
2Hの飲み放題では一人当たり平均4.5杯を飲むと言われている。
一杯500円だとしても2250円、飲み放題が980円だとしたら1330円もお得に感じられる。しかし原価を考えるとこれでもお店にかなりの利益が入る。
*生ビール 150円前後 *サワー類 60円前後 *カクテル類 70円前後
*ウーロンハイ 20円前後 *ソフトドリンク 10円前後
例えば、ビールを2杯、サワー1杯、カクテル1杯、ウーロンハイ1杯を飲んだ場合
150×2+60+70+20=450円 980-450=530円(道内)1500-450=1050円(都内)としっかり利益が出るのだ。
すすきのの居酒屋では最近飲み放題390円!など飲み放題0円セールなど信じられない値段で提供する価格戦争が起きているように思うが、大事なのは飲み放題の値段ではなくお店のブランディングなのではないのだろうか?
飲み放題の値段で客を呼ぶのではなく、料理と接客などの質で争うような方向にすすきの全体が向かって欲しいと思う。
東京で失敗したらそんな店を開こうと思う。飲み放題500円でウーロンハイのみ飲み放題で。